日韓国交正常化50周年

福音による和解委員会 蘇 基昊
 

「見よ、兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことであろう」(詩篇133:1)今年2015年は、日本が太平洋戦争後、韓国との国交正常化をしてからちょうど50周年、終戦からは70周年になります。この歴史を、両国共通の歴史認識を持ち、そしてどのように和解するかは、アジアの未来にとって非常に重要です。
 
 〝近くて遠い国〟であると言われている韓国と日本は、植民地と被植民地の歴史を後にして、パートナー関係を約束してから早くも50周年を迎えようとしています。しかし、現在の日韓の外交はこじれにこじれて最悪の状況です。1965年の日韓協約を通して公式に修好した以降も、「慰安婦」の問題や「ドット/竹島」の問題など、未だに解決されていないさまざまな問題を抱えながら半世紀の時が流れて行きました。特に2012年に安倍晋三氏が日本の総理になってから、日本は集団的自衛権のような軍事面での法的解釈の変更や総理自身の靖国神社への参拝などによって、日韓関係は更に悪化したように思います。
 
 1965 年に日韓協約が結ばれて以来、両国の過去史の定立を再構築する努力はなかったわけではありませんでした。1993 年当時の官房長官であった河野洋平氏の「河野談話」では、従軍「慰安婦」に対する謝罪の言葉が語られ、1995年当時の総理であった村山富市氏の「村山談話」では、「植民地支配」と「侵略」を認めた反省と謝罪の言葉が語られました。このようなことによって両国の間には緊密な関係が始まりました。しかし、その時から19年が過ぎた現在、両国の関係は〝修好後最悪〟の状態になっています。
 
 日韓関係を議論するにおいて、どれ一つ易しい問題はありませんが、過去史や歴史問題について両国が真摯な姿勢を見せるのであれば、日韓関係は良い方向に向かうことになるでしょう。また良好な日韓関係はお互いの利益にもつながることになります。ですから、日韓両国は国交正常化50周年を前にして、良い雰囲気を作り出すために努めればよいと思います。
 
 私たち夫婦は基督教大韓聖潔教会からの日本宣教師として来日して、23年目の働きをしています。日本ホーリネス教団調布キリスト教会の副牧師として日野高幡キリスト教会を開拓し、今は府中キリスト教会をも兼牧しています。私たちが今、最も大事にしながら働いていることは日韓協力宣教です。日本と韓国が手を組んでともに神の宣教をすることができれば、それは何という素晴らしいことでありましょうか。このために私たち夫婦が一番心かけてきたことは、良い「交わり」(交流)でした。日韓の教会がお互いに深く交わることができれば、それはいかに麗しいものかと思います。このような交わりを通して日韓の教会が一つになり、そこから宣教のための協力関係が生まれてくると思います。私たちの予測は間違ってはいませんでした。今や具体的かつ実際的な協力宣教がなされています。
 
 日韓の関係もそんなに違いはないと確信しています。正しい歴史観を持って、お互いが尊重し合うならば、これからの時代において素晴らしい同伴者関係が生まれてくると確信するものです。

(2015年1月「りばいばる」誌)