• TOP
  • >
  • 新たな牧師厚生制度を めざして

(2017年8月「りばいばる」奉仕局だより)

「新たな牧師厚生制度をめざして」

奉仕局長 佐藤 義則

 
 宗教法人としての教会が牧師に給与を支払っている以上、一事業所として見なされることから、近年、日本年金保険機構は、宗教法人格を取得している教会に対して社会保険に加入することを、各地域の年金事務所をとおして勧告・指導を進めています。私たちの教団においても、宗教法人格を取得している教会でこの4月から加入した教会が少なからず起こっています。この社会保険加入により、月々の社会保険料の負担額が増える教会もありますが、国民年金・国民健康保険だけの保障からすれば、充実した年金を受給できるようになり、また健康保険においても多くのメリットがあります。

 そして、このような社会保険制度に全教職者が「宗教法人日本ホーリネス教団」という事業所において加入することを、2020年をめどに考えています。
 
 そのためには、教団の教職制度の大きな改革が必要となります。それは、教団教職者全員が教団と雇用契約を結ぶということです。具体的には、牧師給の支給と社会保険料支払(折半)を教団が行うということです。任命制ですから、どこに遣わされても生活が保障され、隠退後も安心して暮せることを目指さなければならないのではないでしょうか。とくに、子育て中で、養育費に多くの財を要する時に、そういった生活の保障があることは望ましいことです。奉仕局では、こうした牧師給の教団支給のシステムに早くから取り組んでいる日本イエス・キリスト教団などの事例を学びながら、新たな厚生制度の構築を教団委員会の下で目指しております。
 
 さて、今後のことですが、法人格を取得している教会が社会保険に加入しても、従来どおり、教会厚生費及び牧師厚生費の納付はしていただかなくてはなりません。なぜなら、厚生年金の受給額が、隠退される牧師の生活を支えることができる額になるまで、現在の謝恩金制度を続けなければならないからです。この期間は10数年~20年位と試算しています。
 
 ただし、社会保険料の支払負担があまりに大きい場合は、社会保険負担額と教会会計の実情を記し、奉仕局宛に教会厚生費減額申請をしてください。状況を判断させていただき結果をこちらから連絡いたします。減額の場合は、2016年度からの教会厚生費査定のための計算式ではなく、2015年度までの計算式による査定額とします。

 互いに支え合う心をもって、共により良き牧師厚生に取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。