「ワーク&研修キャンプin草津の報告」

 
 8月26~27日、草津楽泉園内の日本聖公会草津聖慰主教会を主会場に第5回草津キャンプが行われ、部分参加者を含め7名が参加しました。昨年の大規模な改修工事が一段落したこともあり、今年はワークよりも学びに重点を置いたプログラムにしました。
 
 26日午後の学びⅠでは、和解パンフレット⑥「『らい病』と私たち」を用い、ハンセン病とは何か、聖書における「らい病」、日本におけるハンセン病(差別)の歴史について学びました。その中で、上中栄牧師は差別意識の根深さについて、「差別は無意識の内に私たちの中に存在している。ハンセン病は感染力の弱い病気であるとパンフレットに書き、人々に教えていた私が初めて楽泉園を訪ねた折り、『園内の温泉施設は来訪者も自由に入れますよ』と言われた時に『入所者の方々と一緒の温泉に入るなんて』という思いが頭の中をよぎった」とご自身の経験を交えて語られました。ここにも、「隔ての中垣」が取り除かれて歩むべき和解の道、そして今日的な「きよめ」の課題があるのです。また、教会備え付け聖書の買い換えや、やむを得ず旧版の聖書を使用する場合の読み替えの徹底など、身近なところから始める大切さも確認しました。その後、楽泉園内の重監房跡と、草津明星團聖書学院跡地の見学をしました。
 
 27日午前の学びⅡでは、今年3月刊行の『日本ホーリネス教団史 第一巻 ホーリネス信仰の形成』から関係箇所の読書会を行いました。戦前のホーリネス教会における社会活動には、明星團の他にユダヤ人伝道、孤児施設支援、アイヌ伝道、ろう者伝道などがありました。それらは、「特定の働きに重荷を負った働き人…のために教会に呼びかけて献金を募り、働きが進められ」たのです。ただ、分離と弾圧、敗戦などの混乱の中で、明星團のことは私たちホーリネス系教会の記憶から半世紀以上も忘れられていたことは残念でなりません。
 
 学び会の後、墓地の清掃作業を行い、参加者一同で墓前礼拝の時を持ちました。最後は、恒例となっている無料の激熱温泉、湯畑を眺めながらのソフトクリームでキャンプを締め括りました。なお、懸案だった草津明星團墓地の銘板については、草津聖公会の関係者の方々によって近々設置される予定です。第5回を数えた草津キャンプは、明星團の歴史を再び風化させないために、これからのあり方を模索する時を迎えています。
 
(文書:平野信二 2010年11月『りばいばる』紙に掲載記事より)